YAGP 日本予選3位入賞、ファイナル進出

2021年 11月3日 クロアにとって思い出深い日となりました。先月、初めて参加したユース・アメリカ・グランプリ(YAGP)の日本予選の結果発表の日。スタジオではオンライン表彰式の模様をプロジェクターで投影しながらみんなでその瞬間を待ってました。アンサンブル部門3位、コンテンポラリー部門 プリコンペティティブ 女性 (9~11歳)のTop12 という驚きと喜びに溢れた結果発表でした。(アンサンブル作品は、アメリカで行われるファイナルに選出されました

 
今回の私の挑戦は、私のコンテンポラリーダンスを見る目をはかるところにありました。私は、学生時代イギリスでコンテンポラリーを学んできましたが、帰国後、日本で世界水準のコンテになかなか出会えずにいました。ゆう先生とこころ先生は、日本の現代舞踊界を代表する方々でまた、日本だけじゃなく海外でも活躍していた2人は、世界水準を知っている方だという点において、信頼をよせておりました。

 

 

青春フリーウェイの作品は、昨年のスタジオの発表会で発表した作品で、作品の素晴らしさと彼女たちの熱量を見てこれを世に出したい一心で先生にYAGP出場を懇願いたしました。

 
クロアで目指しているものは、個人の能力向上だけにフォーカスをしない教育で、とにかくチームワークを大切に子供達を育ててきました。アンサンブルでのコンクール参加はまさに私が望んでいる教育の形だと感じみんなを叱咤激励してきました。自主練する彼女たちに私はほぼ口を挟まず、彼女たちのやり方で気のすむまで練習をする姿をただひたすら見守ってきました。本当によく練習をしてきました。そして、そんな彼女たちと先生方の才能で、今回こうして今までやってきたことの結果が出せたことは、本当に嬉しかったです。

 

クロアは設立当初からコンテンポラリーのクラスを導入してきました。その理由は、ここにあります。クロアをバレエスタジオとして経営する中、何人もの生徒が「バレエに向いてないから」という理由でバレエから遠ざかっていくを見てきました。その中には、本当は踊ることが好きなのにやめていく生徒もたくさんいました。途中から習い事としてバレエには「落とし穴」があるのではと思い始めました。バレエには形がありそこにはまっていないと「私はダメなんだ!」と感じてしまう落とし穴。
 
 
体の条件、例えば身体能力、柔軟性などで向き不向きがあるのは、他のスポーツも同じですが、それプラス容姿までも重要視されるシビアな世界でもあります。ただ、それが備わってないからダメなんてことは決してない。じゃ、習い事としてのバレエの立ち位置は何?ってなりますよね。例えば
 
ストレッチは心の鍛錬です
→人生において好きなことだけやって生きればいい人生なんてない。痛いことに立ち向かう=嫌なことでも逃げずに乗り越える。を学べるチャンスだと思います。
 
踊りの順番を覚えるは、記憶力トレーニングです
→勉強で必要なのも記憶力、どうやって物事を整理し記憶していくかを学ぶことは、全てにおいて有益だと思います。
 
 
など、そこを見失って、上手にできるできないの結果に目が行き出すと落とし穴落下事件が起きるわけです。それは、条件的に向いている生徒がスタジオ内にいた時に大体おきます。目の前で向いているに適合した子がいとも簡単に成長を見せたら、もちろんやる気を失います。そこに負けないで努力ができるストイックな子は100人に1人くらいでしょう。じゃ、そのループをどうしたらなくせるかのヒントがコンテンポラリーにあるのではないかと?とスタジオ設立して割とすぐにコンテンポラリーのクラスを取り入れました。最初はワークショップや夏期講習のみ。ただ、バレエを習わせたくてバレエ教室に入れたご父兄にどう説明したらあまり知られていないコンテンポラリーに興味を持ってもらえるか… が私の悩みでした。「ローザンヌでもバレエと共に必須になっているから」(うちの子はそんなこと目指してないからって言われかねないな)とか「表現の幅を広げるため」(踊りを習ってるから表現とか曖昧なことはわかってもらえない)とか探り探り進めてきました。私の教えるバレエクラス内でも振り付けをさせるなど自由度を与えるクラス内容を多くしています。
 
 
本当のことを言うと「継続することは何よりも力になりますし、自信にもなります」だから向き不向きより好きか嫌いかが重要です。でも、シビアな現実に向き合うのは過酷でもあります。もちろん、無駄なことなんて一つもありません。でも、バレエを習う上でそこに向き合う "少しの励み" みたいなものを「コンテンポラリーダンス」で違う角度からはかれるのではないかという期待を持っているのです。私自身、高校生の時バレエを踊り続けて落とし穴にハマり踊ることが怖くなった時期がありました。そこから救ってくれたのは、コンテンポラリーダンスでした。

 

 

コンテンポラリーは、まだ可能性に満ちた世界だと思っています。クラシックバレエは、今のまま衰退もせず残っていく世界だと思います。コロナ禍で急成長した映像の世界で、たくさんの踊りが生まれてます。育った生徒たちが、活躍する場はバレエの舞台だけじゃなく、もっとたくさん派生していくと思ってます。

 
これからも、みんなが気持ちよく楽しく、そして長くバレエを続けられる環境が作れるといいなと思ってます。改めまして、先生方を筆頭に、チームワークを支えてくださったすべての方に感謝申し上げます。
 
 

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